旧サイト版<夢の旅―17>

<夢の旅―17>


(夢72)「パンが固いとクレームをつける男性の夢」
(夢73)「証明が暗いとクレームをつける夢」
(夢74)「堅く口を閉ざす女の子の夢」
(夢75)「ドラムをたたく夢」
(夢76)「カウンセリングのテストの夢」
(夢77)「4つの場面の夢」



3月29日(28~29日)
(夢72)「パンが固いとクレームをつける男性の夢」
 私はどこかのレストランにいる。隣の席で食べている男性が店員にクレームをつける。なんでもパンが固いと言うのだ。確かに、メニューにはふわふわのパンというように書いてある。私は自分の食べているパンで確かめた。それはごく普通のパンで、特別柔らかいというものでもなかった。私は隣の男性に私のパンを差し出し、これよりも固いのかと尋ねた。男性の方も自分のパンを私に差し出した。それは私のよりも固く、フランスパンのようだった。

(連想と感想)
 食事の夢であるが、不信感や不快感を伴っている。男性のクレームに賛成しているというわけでもないようだったが、確かにメニューに虚偽の記載があるということは感じ取った。書いてある通りのことを信用する前に、この男性を見習って、自分で確かめてみる必要があるという感じである。


3月30日
(夢73)「照明が暗いとクレームをつける夢」
 食堂のような所にいる。私はその店に対して、「照明が暗い」とか文句をつけている。暗くすることで、食材が傷んでいるのをごまかすつもりだななどと考えている。

(連想と感想)
 前日の夢と関連しているが、今度は私が自らクレームをつけている。立場が変わっている。前回の夢では、クレームをつけている人に対して、私は傍観者的な立場だったわけだけど、ここでは自らクレームをつけている。クレームと言っても、この夢では、自己主張のニュアンスが強いように思う。誰かが主張して、それを見るのではなく、自らが主張しているという点において、前回よりかは自分の主体性を感じている。
 この夢には現実のエピソードがある。実家の近くに、比較的最近オープンした中華料理店がある。先日、そこにランチを食べに行ったのだけど、照明が暗くて、営業しているのかどうかも最初はわからなかったほどである。天井を見上げると、照明が半分くらいしか点灯していないのである。半分はわざと消してあるのだ。私は、どうしてこういうことをするのかなと正直に感じて、全部つけなければ、暗くて、料理も美味しそうに見えないではないかなどと考えた。後になって、あれは傷んだ食材をごまかすためにやっているのではないかという疑いが私に生じた。暗ければそれが新鮮なものかどうかがはっきりしなくなり、ごまかせると考えたからである。


3月31日
(夢74)「堅く口を閉ざす女の子の夢」
 どこか収容所のような所。私を含めて数人が一つの部屋に収容されている。取り調べのための机があって、そこに女の子が座っている。周りを数人の大人が取り囲んでいる。彼らはその子を尋問する。私はその子と目が合った。女の子は質問されることに対して口を閉ざしている。しかし、質問されていることに対する答えを知っているということを、彼女は私に目で訴えてきた。だから私も、「何も答える必要はない」ということを目で伝え返した。彼女は、それが伝わったのか、さらに頑なに口を閉ざした。

(連想と感想)
 どういうわけか、夢ではこの女の子の味方にならなければという思いがあった。
 この女の子は、かつての私を見るような思いがした。小学生の頃、私は物言わぬ子供だった。先生は私に何かを言わせようとして、いろいろ手を尽くしたようだった。それでも私は一言も発しないこともあった。何かを言わせられるという体験は、実はとても恐ろしい体験なのである。その恐ろしさが分かっているためか、夢では、彼女に何も言わないようにというサインを送っている。あくまでも自分を守るようにと伝えているのである。


4月1日
 夢を見ず。前日の夢が、あまりに私の子供時代を思い出させるためであろうか。


4月2日
(夢75)「ドラムを叩く夢」
 旅をしているようだ。女性と二人、もしくは小グループだったかもしれない。雨の中を歩いて行く場面を覚えている。
 小さなスタジオみたいな所に入って、私はドラムを叩くことになった。少しだけ叩いた経験はあったけど、きちんと学んだことはなかった。スティックを持って、叩いてみる。しかし、それは本物のドラムではなくて、練習用の台のようなものだった。

(連想と感想)
 旅をしている場面はあまり覚えていない。どんなことがあったのかも印象に残っていない。
 ドラムを叩くことになって、いざ叩いてみると、それが練習用のキットだったというのは、経験があるからといって、うろ覚えでやってみる前に、きちんと練習しなさいということであるように思う。練習の大切さを振り返ってみる必要があるのかもしれない。


4月3日
(夢76)「カウンセリングのテストの夢」
 私はカウンセリングのテストを受けている。相手のクライアントはコンピューターで、音声で私に話しかけてくる。私はそれに対して、応答を打ち込む。それが適切なものであれば、コンピューターはさらに発言を重ねる、それもさらに意味が深くなった内容のことを発言するということになっている。私が応答を打ち込み、それが適切なものならば、私たちの会話はより深まっていくというシステムだった。一つの応答を打ち込む。コンピューターはそれに対して、評価を下す。どれくらいクライアントの発言と一致しているか、どの言葉を落としてしまっているか、感情にどれくらい的確に反応しているかといったことが数値で表される仕組みになっていた。
 最初のクライアントの発言に対して、私は応答を打ち込む。それは難なくクリアした。さらに発言が提出される。私はそれに次々とクリアしていった。徐々に応答することが難しくなってきているのがわかった。ある段階で、私の応答が不適格と評価された。わたしはその発言に対して、違った方面からアプローチして、応答を作成した。それも不適格だった。私はその後も、言い回しを変えてみたり、強調点を変えてみたりして、応答を作成したが、常に不適格の評価が下され、どうしてもそこから先に進めなかった。

(連想と感想)
 夢ではある段階まではテストをクリアしているのだけど、途中からどうしても先に進めなくなってしまっている。どこか限界のようなものがあるというように感じられてしまう。
 実際、私のカウンセリングにおいて、何かが不適格に働いているというのは感じられる。それは前回の夢にあったような事柄と関係しているのかもしれない。かつて私は話すことを強制された子供だった。その苦しみを体験していたはずだった。今ではクライアントに話すことを、強制ではないとしても、要請する立場に立っている。そういうところから、私は、良かれと思ってしていることであっても、クライアントを苦しめていないかと気になってしまうことがある。それが不適格に働いているかもしれない。


4月4日
(夢77)「4つの場面の夢」
 旅をしている。かなり長い夢だったように思うが、覚えているのは以下の場面である。
(場面1)父の運転する車に乗っている。山道だった。山の斜面にいくつもの大きな穴が開けられていた。あれは何のためにあるのかを尋ねると、父が、あそこに杭を埋め込んで、土砂崩れを防止する柵を作るのだと説明した。
(場面2)それからコンビニのような場所に入る。客が品物を持ってレジに来る。大きな缶ビールだった。すでに開いていて、客は金を払う前に飲んでいたようだ。店員がいないので、私がレジを打つことにした。
(場面3)小さな会議室か教室のような所。動物を用いた物語を作成するという課題がみんなに与えられる。私も書く。先生らしき人物が一人一人の作品を読みあげて、評価する。私の作品はぼろかすに酷評された。私は「用紙一枚に物語をおさめることは難しい」と言い返した。すると先生は、それならやってみろと言わんばかりに「何枚使っても構わない」と答えた。私は執筆に取り掛かった。
(場面4)同じ教室。私はドイツ語の授業を見ようとして、テレビを独占する。ものすごい大画面のテレビで、それまでテレビを見ていた人たちは、一部は私に文句を言ってテレビから離れ、一部は私と一緒にドイツ語の授業を見ようと言ってくれた。

(連想と感想)
 私の父というと、私はすぐに車を連想する。父と私とはどこか、父の車でつながってい
るという感じがある。土砂崩れを防ぐ杭を立てるための穴が開けられているということは
この車の安全が守られているという感じを受ける。
 父との関係が守られているという感じを得ると、私は自分から仕事ができるということ
のように思う。
 仕事だけではなく、与えられた作業に対して、私の作品を酷評されても、私はきちんと
抗議している。やり直してみろという挑発に対しても、私は受けて立っている。とても強
い自分がいるように感じられた。
 最後は勉強である。私が自分の意向を主張したとしても、そこには反対者もあれば、私
に賛成して付き合ってくれる人もあるということが分かる。
 若い頃は父親なんて大したことないなどといきがっていたものですが、最近、やはり、
父は偉大だと感じるようになっている。私がいくら頑張っても父親にはかなわないだろう
なと感じ始めている。結局、私は、父からも守られていたのだ。夢では、これに気づくこ
とが必要なのだということを教えてくれているように感じる。それに気づくことによって、
私は主体的に仕事をし、自己主張ができ、協力者が得られるのだと知った。


<週を終えて>
 初めはクレームの夢から、つまり主張するかしないかということから始まった。このテ
ーマは、堅く口を閉ざす女の子の夢で一つのピークを迎えたようだ。夢の流れは、そこか
らカウンセリングへと視点が移って行く。仕事での限界や不適格感というものが現れてい
るが、これらは(夢77)で父との関係を見なおしたことで、うまく納まって行くように
思われる。自己主張の問題も含めて、仕事や勉強(練習)といった領域に関する事柄が収
斂されていくような印象を受ける。

(寺戸順司)