<16-1-1>浮気テーマ序説(1)

<16-1-1> 浮気テーマ序説(1)

(はじめに)
 浮気に関するページを新たに設けました。本来ならこれは第8章の夫婦関係のページで取り上げるテーマでありますが、別ページを新たに設定しました。その理由はただ検索する人の便宜のためであり、それ以上の理由はありません。
 このページを開く人は、おそらく、浮気問題に直面している人たちなのでしょう。あるいは浮気問題に関心を寄せていたり、調べたりしている人たちであるでしょう。
 ここに私は確言しておきますが、私のこのサイトはその人たちを間違いなく失望させることでになると思います。その人たちが求めているような情報は一切掲載していないだろうと思います。

(何が起きているのか)
 検索する人は自分の「なぜ」に答えてもらえることを期待して検索するものだと思います。なぜあの人は浮気したのか、なぜ浮気ということが起きるのか、そういうことを知りたいと思い、検索されることと思います。私はその人たちの期待に応えることはできないだろうと思いますし、その期待に応えようとも思いません。
 というのは、私の興味がそんなところには無いからであります。その人がなぜそれをするのかよりも、それをした時にその人に何が起きているのかを理解する方が大切であると私は考えており、それの原因とか何か一般法則のようなものを述べることには私はまったく興味を持っていません。
 従って、浮気という現象そのものを取り上げることはほとんど無いことと思います。浮気について知りたいと願う人の期待には応えられないことを予め申し上げておく次第であります。
 では、この章で何を取り上げるのかということですが、浮気そのものはほとんど取り上げません。浮気に関連するケースを検討することで、さまざまな問題を考察していくことにします。

(用語について)
 話を進める前に、本章で使用する用語について押さえておきます。できるだけ言葉を統一したいと思いますので、言葉について共有しておきたいと思います。
 本章ではこの問題をすべて「浮気」という言葉で統一します。「不倫」とか「二股かける」とか、他の言い回しができるとしても、ここではすべて「浮気」を使用します。
 浮気問題は三者から成ります。三者はそれぞれ「夫」「妻」「愛人」と呼びます。未婚のカップルのケースでも、すでに離婚した夫婦であっても、「夫」「妻」と表記します。「愛人」は一人のこともあれば複数のこともありますが、すべて「愛人」で統一します。
 また、夫婦のうち浮気をした側を「浮気者」、浮気された側を「被浮気者」と表記することもあります。夫が別の女性愛人と浮気をしたという場合、夫が浮気者であり、妻が被浮気者ということになります。

(定義について)
 浮気問題は、先述のように、夫、妻、愛人の三者によって構成されています。この三者の関係が浮気を定義します。
 まず、夫婦に与えられている権利を愛人と共有すること、これを浮気の定義とすることが可能であります。
 例えば、夫婦は共に生活する権利があります。これを愛人と共に生活する場面があれば、それは浮気とみなして差し支えないということであります。また、夫婦は性的パートナーであることが認められていますが、これを愛人と共有すること、つまり愛人と性的交渉を持てば、それは浮気とみなしていいでしょう。
 浮気とは、夫婦に与えられている権利を、夫婦の一方である浮気者が愛人と共有するようになること、とりあえずはこのように定義しておきましょう。

(浮気者の感情は定義に反映しない)
 ちなみに、愛人に対する浮気者の恋愛感情は一切定義に反映されません。と言うのは、相手に対する恋愛感情抜きで浮気が発生することもあるからです。例えば、肉体関係だけの愛人などであります。
 これに関しては後々取り上げていくことになると思いますが、最初から恋愛感情を考慮に入れないことによって、愛人に対する恋愛感情を持っていないからこれは浮気ではないといった浮気者の理屈を退けることができます。これを退けることによって、それが浮気に該当するか否かといった不毛の議論に陥るのを防ぐことができるのです。

(かなりのグレーゾーンがあるということ)
 さて、夫婦で共有されている権利が愛人と共有されるた場合、それは浮気である、このように定義すると非常に簡明であります。ところが、浮気問題にはかなりのグレーゾーンがあるということも押さえておきます。それぞれの夫婦がどのような取り決めをしているかによって、それが浮気として評価されたり、浮気に該当しないと評価されたりします。夫婦によって浮気の定義はさまざまなのであります。
 例えば、夫が女性と食事を共にするとしましょう。それだけでも許せない妻もあり、浮気とみなされることもあるようです。一方では食事くらいは大目に見るという妻もあるようです。この場合、食事以上の関係になったら浮気とみなすということであります。両者の中間もあります。その女性が仕事関係の人である場合は許すけれど、それ以外の関係の女性であったら浮気とみなすといった場合であります。
 また、グレーゾーンが広いが故に、夫と妻との間で浮気に関する認識に差異が生まれることもあります。妻はそれは浮気だと言い、夫はそれは浮気ではないと言い張るといった例は、浮気に関する定義が夫と妻とで異なっていることを示しているのであります

(確証なきケースは浮気から除外すること)
 さらに厄介なのは、浮気というものは水面下で行われているものであります。被浮気者は浮気が進行していることを知らないまま日々を過ごしているのです。浮気者と愛人はその関係を隠蔽することが多いのです。
 従って、グレーゾーンの問題に続いて、浮気が本当に行われているのか否かといった問題が生まれてくるのです。これに関してはP夫人のケースのところで取り上げることになりますが、確証のないケースは浮気から除外する方針を私は立てています。つまり、浮気が存在するという確かな証拠がない限り、つまり浮気があるようだという疑惑の段階では、それを浮気問題として取り上げないということであります。

(本章の構成)
 さて、本章では、第2節として浮気に関するさまざまなことを述べようと思います。ほとんど覚え書のような内容でありますので、体系だったものにはならないでしょう。いくつもの小さなテーマが断片的に綴られていくことになると思います。
 第3節からケースに入って行きます。ケースに関しては、個人が特定できないようにアレンジを施していますが、すべて私が現実にお会いした人たちに基づいています。
 現時点では6名ほどのケースを予定しています。浮気問題と一言で言っても、当事者が体験している問題は同一ではないことを読み取っていただければと思います。

(文責:寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)