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2021年6月29日 火曜日

6月29日:コロナに関するあれやこれや

6月29日(火):コロナに関するあれやこれや

 今日は定休日だけれど、夜に一件予約が入ったので、午後から出勤する。午前中は少しだけのんびり過ごした。と言っても、家のことも多少はこなしたんだけれど。
 結果、夜の予約は延期になった。何となくだけれど、そうなりそうな予感があった。まあ、今のところ、仕事が先送りになったというだけのことで、仕事そのものがなくなったわけではないので、良しとしておこう。ただ、あまり楽観できないクライアントでもある。

 クライアントのことは述べないでおこう。
 7月は祝日が例年とは異なるそうだ。海の日が週末にずれこんで、オリンピックの開会式の日に合わせて連休になるということらしい。驚くことに、オリンピックの開幕は国民の祝日になるのだ。同じく、パラリンピックの閉会式の日も祝日になるとのことらしい。一体、なんの祝日なのか、意味不明だ。
 こんな意味不明なことをやる政府なのだ。開会式の日も閉会式の日も、平日と同じように仕事をしよう。僕はオリンピック期間中も日常の生活を変えないつもりだ。

 お昼の番組で面白いことやっていた。僕が家を出る前にチラッと見たものだ。匂いでコロナ感染の有無が分かるそうで、そういう装置を開発中なのだそうだ。しかも、感染の有無だけでなく、ウイルスの種類まで特定できるというのだから優れモノだ。将来はPCR検査にとってかわるだろうとも言われていたな。
 ただ、実用化はまだ先だ。早ければ今年の末ごろには市場に出回るとのことであるが、普及するにはもっと時間がかかるだろう。コロナに関しては、いろんなものが発明されている。それはそれでいいのだけれど、その発明品の恩恵に欲することができるまでの期間、現状の対策をやっていくしかないのだ。それまで僕が生き永らえているかどうか。インド株も恐ろしいけれど、さらにペルー株なんてのも見つかっているらしい。
 このペルー株なるものは、インド株よりもさらに感染力があり、ワクチンの有効性を低下させてしまうらしい。オリンピックで拡大させてしまうのは、このペルー株になるかもしれないと僕は思っている。
 大げさに聞こえることと思うけれど、コロナを前にして人類は存続できるのだろうかと心配にもなる。もっと恐ろしいヤツが生まれる可能性もある。「ウイズコロナ」などと悠長なことを言えていた時期が懐かしく感じられる。

 それでもワクチンは打っておいた方がいい。副作用(副反応ではない)のことが言われているけれど、1回2回の接種でそんな副作用が出るものなのだろうか。仮にそうだとしても、接種を先にして、それから副作用治療を構築していく方が望ましいようにも思える。後遺症の問題も含めて、そんなに簡単な話ではないだろうけれど、その前にコロナをなんとか封じ込めなければならないようにも思う。まあ、人によって考え方もさまざまだろう。

 そのワクチンであるが、保管している冷蔵庫のコンセントをわざわざ抜くヤツもおるそうだ。一回だけなら、誰かが足を引っかけて抜けたのだろうとか、ちゃんと差し込まれていなくて自然に抜けたのだろうとか考えることも可能であるが、立て続けに発生するとなると何者かが意図的にコンセントを引っこ抜いているとしか思えなくなってくる。
 当然、ワクチンは廃棄処分される。まったく、税金の無駄遣いに終わってしまう。
 もし、何者かがコンセントを抜いているのだとしたら、内部の人間によるものだろう。というのは、外部の仕業である場合、誰にも見つからずに接種会場に忍び込んで(これはこれで難しい)、保管場所を探しだして(これがもっとも難しいかも)、冷蔵庫のコンセントを抜く(この作業だけは簡単だ)、そして、誰にも見つからないように現場を後にして逃走する(侵入時と同じように難しい)ということをやらないといけなくなるからである。
 根拠もなく人を疑ってはいけないのだが、何者かによる犯行であると仮定して、犯人が神経症的な人間なら、ワクチン接種で激務を強いられている人間が考えられる。つまり、こんなワクチンなんてものがなければこんな重労働をしないで済んだのにという願望を有しているような人である。
 精神病的であれば、ワクチンを廃棄させることによって救世主になったと信じていることだろう。ワクチン接種という悪を自分一人で根絶させるなどといった誇大妄想観念を持っているかもしれない。なんでも「陰謀論」というものがあるそうだ。
 あるいは、目立ちたいという願望だけでやっているかもしれない。自己顕示的というか、ヒステリー性格者である。
 まあ、それがどんな人間でもいいのだけれど、もし犯人が捕まったら、そいつがどんな人間なのかぜひ知りたいと思う。

 さて、内容のまとまらない、意味不明なブログになってしまったな。今日はここまでにしておこう。

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

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2021年6月28日 月曜日

6月28日:月末にて

6月28日(月):月末にて

 今日は月末ということになる。言うまでもなく、金融業界での月末ということだ。午前中は支払い等で外回りをすることに決めていた。その他の予定や仕事は午後以降に固めておいた。
 これを逆にすると落ち着かない。外回り関係は朝のうちに済ませておきたい。これが後に控えていると気になって仕方がなくなる。
 今日は、比較的早い時間から動き始めたのと、どの銀行でも思いのほか待たされることがなかったので、かなりスムーズにいった。足の調子もいいのでスイスイ歩けたのもよかった。銀行4件、薬局、コンビニなどを回って、所要時間1時間未満だった。

 朝のうちにそれをやっておくと、今日はサイト作業もどこかで実施すると決めていた。ブログが一週間分ほど溜まっているので、それらを公開しておきたい。ワードの不調のために、かなりまわりくどい作業をやらなければならないのだけれど、溜めると余計にやりにくくなるので、ほどほどのところで公開していかないといけない。
 公開作業はたかが知れているのだが、その前後の処理に時間がかかる。公開前に原稿を読み直して校正する。これにまず時間がかかる。原稿が揃うと、一気に公開する。これは短時間で可能だ。公開後の原稿はフォルダにしまう。これもちょっと時間がかかる。午前中に校正をしておいて、午後からのわずかの時間に一気に公開して、今日の最後に原稿をしまう。
 ブログもサイトも、僕の書くものにはあまり意味が感じられない。でも、絶えず公開して更新しないとサイトが死んでしまう。強制的に強迫行為をさせられてしまうようなものだ。ハッキリ言って、こうして書いていてもなにも楽しくはない。

 午後から、留守電に吹き込みがあった。僕は、電話が鳴ったのは分かっていたけれど、ちょっと手が離せない状況だった。留守電に吹き込まれたのも分かったし、手が空いてからメッセージを聞く。
 この人の名前がちょっと聞き取りにくかったので、メッセージを繰り返し聞いて確認した。もし、名前が間違っていたら僕の記憶違いとか聞き違いにしてしまえばいいので、とにかく電話をかけてみた。どうやら名前は間違っていなかったようだ。来週予約が入った。いいことである。

 体調は全般的にやや不良だ。コロナに感染したかと日々不安に思う。とにかく、感染がはっきりしない限りは普通に振る舞っていいのだから、少々の体調不良に神経過敏にならなくてもよい。相手に感染させないという心遣いさえ怠らなければ大丈夫だ、とそうしておこう。
 よく考えたら、昨夜はあまり眠れなかったのだ。4時頃まで目が冴えてならなかった。布団の中でずっと本を読んで、睡魔が襲って来るのを待つものの、なかなか襲ってきてくれなかったのだ。時計を見たら4時近かったのを覚えている。そこから7時過ぎまで眠ったのだった。3時間でも眠れたら上等である。でも、チョイ、寝が足りないか。いずれにしても、寝不足のしんどさもあるかもしれないのだ。

 コロナはやはり怖い。僕の場合、感染したら重症化して死んでしまうという妙な確信がある。まあ、そんなものに囚われないでおこう。どっちみち、人間はいつか死を迎えるのだ。それならいっそのこと、生きているうちに人のために生きておこう。

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

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2021年6月26日 土曜日

6月26日:五輪への静かな抵抗

6月26日(土):五輪への静かな抵抗

 オリンピックのために来日したウガンダの選手たちからコロナ感染が判明した。最初はコーチ一人だけが感染していて、これは空港検疫で見つかった。このコーチは2週間の隔離ということになったのだと思うが、その他の選手たちはホストタウンである大阪は泉佐野市に向かった。その後、バス運転手と職員たちの感染が明らかになった。すべてインド株であるとのこと。
 そのコーチと一緒に同乗していた人たちは濃厚接触者に入らないらしい。僕には謎だ。いい加減「濃厚」の文字を取り払ったらどうかという気もしている。あきらかに空港検疫の手抜きであるのだが、「濃厚」接触者とは認められなかったということで、政府は責任追及からの逃げ道を用意しているわけだ。濃厚であろうとなかろうと、一定時間接触している人は全員隔離して経過観察しなければならない。人命にかかわることであるからだ。
 政府は、泉佐野市の感染対策の怠慢であるかのような言い分である。それなら、選手や関係者たちだけでなく、ホストタウンの職員やバス運転手など、外国からの招待客と接するすべての人に優先的にワクチン接種しなければならない。そこが間に合っていないのに感染したのはそちらの不注意だといった逃げ口上を言うので憤りを覚える。

 まあ、なんにせよ、安心・安全宣言は早々と撤収しなければならないハメになったわけだ。何一つとして安心でもなければ安全でもない。海外選手が日本に到着して早々に感染を広げてしまっているのだから。
 いっそのこと、日本はコロナ危険国です、海外から来る人は自己責任で来日してくださいなどと言っておけば良かったのだ。そうすれば、感染者が現れてもその人の自己責任になるからである。
 ところが、周知の如く、安全・安心な大会にするなどと日本が宣言してきたために、その責任は日本が負うことになる。安全・安心と確約したから参加したのに、選手を危険な目に曝したということになれば、日本は契約違反になる。裁判になった場合、どういう罪になるのか僕は分からない。契約違反か契約不履行か、あるいは詐欺が適用されてしまうのか。いずれにしても莫大な損害賠償を求められる可能性もあるわけで、その賠償はすべて国民の税金で賄われることになるわけだ。バカバカしいにもほどがある。
 安全・安心だからやりましょうと開催国が言っているのに、それを怠れば開催国の責任になるわけだ。その責任から逃れるためには、その虚偽の言葉を既成事実にしなければならないのだ。そのためにはどんな逃げ口上でもぶち上げるだろうし、どんな卑劣な手段を使ってでも潔白を証明しなければならなくなるだろう。現行の政府の汚物がどんどん噴出してくること間違いなしだ。

 ところで、なぜオリンピックだけ特別なのかという話もある。僕が思うに、これだけは特別でなければならないのだ。というのは、責任回避ができなくなるからである。例えば、会場付近でイベントを認める、集団でのエキシビジョンを認める、会場入場の制限人数を引き上げる、その他あらゆる人流を認めるようなことをする。そうすれば、感染拡大は国民によるものであって、政府の対応のせいではないと逃げることができるからだ。政府はきちんと対応して、安全・安心を実現した。ところが、それに反発する国民や軽率な行動をとる国民が感染を拡大させ、それを選手や関係者に広めてしまったのだ。こう言い切ってしまえばいいのだ。さらに、専門家にそれに適合した資料を探させればいいのだ。
 この観点に立てば、オリンピック反対のデモ運動なんかは政府には大歓迎だということになる。そこで密を作って感染が拡大でもしてくれたら、政府としては万々歳ではないか。五輪反対運動は静かに行うべきなのだ。五輪で誰一人として儲けさせてはいけないのだ。テレビ放映権が売れたのであれば、そのテレビ放送は史上最低の視聴率を出させなければならない。少しでも盛り上がってはいけないのだ。彼らが正しいという側面を少しでも出させてはいけないのだ。スポンサーたちにも大損をさせなければならないのだ。同じように日本も経済的大打撃を起こさせなければならないのだ。
 もはや中止はあり得ない。強行突破する姿勢だ。それなら東京五輪を歴史に名を遺すほどの呪われた大会にすることである。デモやテロは行わずにそれを実現する。感染を拡大させずに抵抗する。これこそ静かな反抗である。

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

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2021年6月25日 金曜日

6月25日:人前でスマフォを見せるべからず、ペイッ!

6月25日(金):人前でスマフォ見せるべからず、ペイッ!

 買うものがあってコンビニに入る。
 セブンイレブンが導入しているレジは、客がレジ操作をするというものだ。やがて、こういうのが他のコンビニやスーパーなんかでも普及するのだろう。店員は商品をスキャンするだけで、現金には一切手を触れない。
 レジの客側に液晶パネルがあって、支払い方法を選択する。僕は現金主義なので現金だ。お金の投入口にお金を入れて清算する。レシートとお釣りがでてくる。客がこの操作に慣れていないとレジでまごつく人が現れ、けっこう待たされたりもする。
 支払い方法も多岐に渡る。プリペイドカードの類はまだわかる。しかし、ペイペイだのなんとかペイだのペイなんとかだの、ああいうのはどれがどれやら分からん。ペイペイペイペイって、アダモちゃんか。と言ってもアダモステが分かる人は古いか。
 商品と現金の交換が一番シンプルで分かりやすいと僕は思っている。電子マネーの類はどうもお金を払って品物を買ったという感覚が乏しくなるような気もしている。

 近頃は断捨離などと言って流行っているようだけれど、なんか、モノを所有することが悪徳であるかのようなニュアンスを感じることがある。僕はモノを所有しないと言っている人の方が却って物欲に貪欲であるとも感じている。まあ、その話はいいとしよう。
 支払いの方法がヴァリエーションに富んでいるのであれば、購買行動ももっと増えそうな気がするのであるが、一方で断捨離のようなことがブームになっているのだから、どこかチグハグな感じを受けるのは僕だけだろうか。

 モノを所有するとは、出会いと別れ、時には再会の経験を積むことにつながると僕は思う。人間に必要な体験を体験させてくれる契機になると思う。一冊の本でさえ、出会いと別れがあり、再会もある。言い換えれば、本一冊取り上げても、本と僕との間にドラマが生まれるのだ。これを図書館で借りて読んだとかいう本だったら、そういう体験をしないのではないか、そういうドラマも生まれないのではないかという気がしている。

 若い人の中にはモノを所有しないと決めている人もある。そういう人がエライとも僕は思わんのだが、なんとなく空しい人生を送っている人であるようにも思えてくる。モノとの間にも関係が形成され、相互交渉がなされるものであるのに、そういう機会を自ら放棄してしまっているようにも見えて残念な気持ちにもなる。
 しかし、モノを持たないという若い人のパソコンとかスマフォの中には種々雑多なものがギッシリ詰まっていたりする。そういうものだ。若い人が無欲であるというのは、その若者が人間的に優れているとかいうことではなくて、なんらかの重篤な精神症状の表われと言えるのではないかとも思う。まあ、その話も今日は脇へ置いておこう。

 しかし、例えば、ペイペイなるものは、スマフォでバーコードを読み取り、金額を入力
すればそれで支払い完了となる。確かに手軽かもしれない。でも、それは、他人のスマフォで支払いするのも手軽だということだ。スマフォ盗んでしまえばいいということになる。歩きスマフォしている人とか見かけるけど、別の意味で危ないね。パッと奪い取られたらお終いだ。すごい無防備だ。大切なことは、人前でスマフォを見せるべからずだ、ペ~イ!

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

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2021年6月25日 金曜日

6月25日:ミステリバカにクスリなし~『上を見るな』

6月25日(金):ミステリバカにクスリなし~『上を見るな』(島田一男)

 島田一男、恥ずかしながら、僕はその名前は知っているものの作品に触れたことはなかった。どうも僕の食指が動かなかったのだ。僕の中では読まず嫌いの作家さんだった。今回、たまたま作品を入手したので読んでみることにしたのだけれど、本当に著者には申し訳ないことをした。すっかり夢中になってしまった。

 本作は、九州に代々地主として君臨してきた虻田家の相続問題に端を発する。現在16代目当主の一角斎が高齢もあり17代目当主選びで手こずっているということで、刑事弁護士の南郷が調整を依頼される。刑事弁護士なので本職ではないのだけれど、旧友の頼みもあって引き受けることにしたのだ。
 さて、この虻田家の複雑な事情を整理しよう。本作を読む際にこれがとても重要であるからだ。もっとも、少々曖昧なところがあっても差し支えないように著者は書いてくれているのだけれど。
 まず、16代目当主の一角斎。彼は甥にあたる弓彦を17代目にしたい考えを持っている。弓彦は、15代目当主(一角斎の兄)の息子である。
 一角斎は二人妻を娶ったが、最初の妻との間に旗江と剣子を授かる。二人目の妻との間には三輪子が生まれる。また、二人目の妻の連れ子だった寒三郎がいる。
 旗江を巡る人間関係が幾分錯綜している。
 旗江は久一郎と結婚していたが、久一郎は弓彦、寒三郎とともに出征し、戦死したとされていた。つまり、虻田家の男連中がいなくなったわけである。そこで、久一郎の弟である栄次郎が、虻田家の跡取りという条件で旗江と結婚した。
 ところが、久一郎、弓彦、寒三郎が揃ってシベリアから生還したのだ。
 妹の剣子の方は、章次という日系アメリカ人二世と結婚している。
 一角斎は弓彦を推したいが弓彦は乗り気ではない。栄次郎は跡継ぎを主張しているが、兄が生きていたので、兄に権利を譲るべきだろうか。旗江も夫が生きていたことによって、自分の夫は久一郎なのか栄次郎なのか分からないと嘆く。寒三郎は密かに旗江に恋心を抱いていたが、旗江の夫が久一郎なら許せるとしても、栄次郎が彼女の夫であることが面白くない。旗江と栄次郎との間に生まれた衣子はどうなるのだろうか。章次もまた17代目を狙っているようでもある。
 南郷はふと呟く。この問題、栄次郎がいなくなればすべて片が付く、と。そして、この言葉が現実のものになってしまう。

 物語は南郷弁護士を軸に展開する。緻密な構成と主人公の活発な動きとで読み手を引っ張っていく。
 栄次郎に続いて連発する殺人事件。南郷は一つ一つ犯人の行動を再構成していく。加えて、容疑者となった寒三郎のアリバイを立証していく。それと同時に犯人のアリバイを崩していく。このアリバイ立証とアリバイ崩しが本作のメインとなっている感じがある。
 それに加えて、海軍のための演習場としての土地売買問題並びにそれに反対する住民との調整、地元警察と駆け引きなどが絡んでくる。本作でキュートな魅力を振りまく三輪子がまとわりつくことまで南郷に降りかかる。なんとも目まぐるしい内容である。九州から東京に電話をかけるのがそんなにたいへんだったことまで僕は思い知るのであるが、そんな不便さも南郷に立ちはだかることになる。とにかく、南郷のエネルギッシュな活動に目が離せなくなってしまう。つい、一気読みしてしまった。

 さて、ともかく面白い作品であることは間違いない。僕の唯我独断的読書評価は4つ星半だ。細部に至る描写が時に煩雑である。そこをあんまり細かく書かなくてもいいのにと思うところもある。例えば、旅館に泊まった南郷が朝飯に何を食ったかとか、そこを事細かに書かれても、事件や謎解きには関係ないのになどと思ってしまった。その辺りの事情を考慮して星半分を差し引いた。

<テキスト>
『上を見るな』(島田一男)~『現代推理小説体系7』(講談社)所収

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

投稿者 高槻カウンセリングセンター | 記事URL

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