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2021年8月 5日 木曜日

8月5日:排除された人たちに同情

8月5日(木):排除された人たちに同情

 8月5日付けの「週刊文春」を昨夜買った。一週間前に出た分だけれど、コンビニで立ち読みして、やっぱり買っておこうと思い、買ったのだ。

 オリンピックの開会式に関する記事があって、それが目当てだった。開会式に関係している人たちのことを僕は知らない。MIKIKOさんなんて人も初めて知ったくらいだ。きっとその世界ではとても有名な方なんだろう。それはさておき、僕はMIKIKOさんに同情したくなる。
 開会式の演出担当として、野村萬斎さんからバトンタッチされた形でMIKIKOさんは開会式に関わることになった。その演出は見事なもので、IOCへのプレゼンで高い評価を受けたことは僕も聞いたことがある。
 文春の記事にはその演出が記載されているのだけれど、活字で読んだだけでもワクワクするような内容だ。あの演出が実現していたら、僕も観たいと思っただろう。
 その後、電通がしゃしゃり出てきて、MIKIKOさんは解任されてしまう。小学生並みのダジャレセンスでお馴染みの佐々木氏が後任となった。この佐々木氏の最初の案は、MIKIKO案を切り張りしたものでしかなかったそうである。
 佐々木氏の案の中には、「アー・ユー・レディ(READY)」の掛け声に続いてレディ(LADY)ガガが登場するという演出もあったそうだ。相変わらずのダジャレセンスだ。
 この佐々木氏は、渡辺直美さんを、「おデブ」=「ブタ」(PIG)から、オリンピックに掛けて「オリンピッグ」に変身させるという、やはり小学生並みのダジャレセンスで考えた演出の批判により解任されることになる。
 佐々木氏の後を引き継いだのが、ホロコーストコントでお馴染みの小林氏である。小林氏の伝手で障害者イジメでお馴染みの小山田氏も関与することになった。また、佐々木氏も演出チームに残ってはいたそうである。類が友を呼んでいるようにしか僕には見えないのだけれど、その演出内容はどんどんMIKIKO案から遠ざかっていくことになる。
 おまけに、コイケは「火消し」演出を入れろと、森前会長は海老蔵を出せと、加えて聖火ランナーに松井を出せと、さらにはバッハは「イマジン」を流せと、次々に「外注」がやってくる。最終的にはMIKIKO案はズタボロに切り刻まれ、外注だけはしっかり組み込まれているという開会式になったようだ。

 大量のドローンで夜空に絵を描くというのはMIKIKO案にあったものだが、その流用(パクりということだ)である。MIKIKO案の方はさらにその上を行く演出だった。他にもいろいろある。
 MIKIKO案は、僕の印象では、全体の構成がしっかり練られていて、何て言うか、しっかりした世界観がある演出であったように思う。一つ一つの出し物というか演出は、その他の出し物と有機的に関連していて、個々に切り離せないものだったのではないかと思う。電通連中はそれを切り刻んだのだから、何も分かっていないんだろう。
 それは例えば、子供のためにパティシエが精魂込めてつくったバースデーケーキを、親がイチゴ、板チョコ、砂糖菓子、クリーム、スポンジと分解して皿にのせて子供に差し出すようなものだ。こんなことされたら子供はがっかりするだろう。ケーキを構成する食材を食べたとしても、ケーキを食べたという実感はこの子には残らないだろう。親からすれば、ケーキを構成している食材を食べたのだからケーキを食べたことに匹敵するなんていうふうに見えているかもしれない。この子が食べたのは、かつてケーキであった素材だけなのである。文春を読んで、僕はこの子(もちろん架空のエピソードだけど)のような気分になった。

 電通やその他の連中を見ていて思うのは、彼らはまったく芸術や文化を理解できない人たちなんだということだ。ビジネスマンとか、音楽家とか、芸人としては秀でているかもしれないとしても、文化・芸術レベルがかなり低い人間であるようだ。そういう印象を僕は受けてしまう。そういう人間が集まってしまったのだと思う。エンブレムの盗作なんかも同じものだと思っている。まさしく「ルイトモ」である。
 競技紹介も、最終的にパントマイム団によるピクトグラムのパフォーマンスである。実演したパントマイム団の方々は、恐らくそういう依頼を受けただけであり、引き受けた以上それを実現するために努力したことであろう。でも、あのパフォーマンスは、一歩間違えると、「宴会芸」のように見えてしまう。僕にはひどくチープなものに見えた。
 ちなみに、開閉会式の予算は当初は90億円くらいだった。それが160億円にまで膨れ上がったという。ものすごい大金を投入して安っぽいものしか作れないのは、開会式に限らず、今の日本では随所に見られる現象であり、今の日本を象徴しているような気がしないでもない。

 何はともあれ、開会式も終わった。MIKIKOさんの演出の開会式だったら、僕は見なかったことを後悔していたかもしれない。でも、最終的な案の開会式なら、見なくてよかったと思っている。あとは五輪がさっさと終わってくれることを熱望している。MIKIKOさんを初め、任天堂の人たちなど、排除された方々に僕は同情する。もはや東京オリンピックは有毒・有害イベントでしかないと僕は思っている。

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)



投稿者 高槻カウンセリングセンター

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