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2020年12月11日 金曜日

12月11日:キネマ館~『ポセイドン・アドベンチャー』『大地震』

12月11日(金):キネマ館~『ポセイドン・アドベンチャー』『大地震』

『ポセイドン・アドベンチャー』
 今月は久しぶりに映画をレンタルした。観たい映画がいくつかあって、これはその一つだった。
 この映画、正確に何歳の頃だったかは覚えていないけれど、子供の頃にテレビの洋画劇場で観たのを覚えている。ハラハラ、ドキドキの連続で、ラストで救助隊がバナーで船底を開けてそこから青空が見えた時は本当に感動した。あれからン十年を経て改めて観ても、当時と同じハラハラ、ドキドキと感動とを経験できた。いい映画だと僕は思う。
 物語はアメリカからギリシャへ航海中の豪華客船ポセイドン号が地震による津波をもろに受けて転覆してしまう。そこからの救出劇である。
 この船は老朽化が進み、今回が最後の航海であり、その後は解体されることになっている。つまりボロ船でもあるわけだ。そしてバラストを積まずに航海している。つまり、船底に重みがなく、上の方が重たいことになり、従って転覆しやすい状態であるわけだ。
 時は大晦日。船内の会場ではニューイヤーパーティーの真っ最中。そこで津波が襲ってくる。船は転覆し、床から天井へと人々は転がり、落下していく。この映像は、当然のことながらCGなぞなく、リアルに人間が演じている。リアル過ぎて怖いほどである。
 パーティー会場で何人かは死に、何人かは生き残る。生き残った人たちはパーサーの言葉に従う。救助が来るからここで待っていよう、と。型破りな説教をする神父が、救助は来ないしここは危ない、上の方へ(つまり船底の方へ)逃げようと人々を諭す。彼らは巨大なクリスマスツリーを梯子代わりにして、廊下の方へ登っていく。しかし、そこへ残った人たちは、爆発に見舞われ、水に呑み込まれていく。
 ここで逃避できたのは、神父、警部補夫妻、孫に会いに行くという老夫婦、金物屋の店員、女性歌手、姉弟、一人の船員の十人である。この十人が命がけで脱出を試みるのだけれど、爆発に見舞われ、水流に呑み込まれ、次々に災害に見舞われ一人また一人と命を落としていく。一体、誰が助かるのか、スリル満点な展開だ。
 神父を演じるのはジーン・ハックマン。警部補夫婦はアーネスト・ボーグナインとステラ・スティーブンス。老夫婦にはジャック・アルバートソンとシェリー・ウインターズ。雑貨屋はレッド・バトンズ。船員はロディ・マクドウオールがそれぞれ演じている。この名優陣が迫真の演技を見せる。
 尚、このメンバーには含まれないが、船長をレスリー・ニールセンが演じている。『裸の銃を持つ男』シリーズで日本でも人気が出たけれど、決してコメディアンではないのだ。二枚目の俳優さんで、いくつものシリアスな映画に出ている人だ。
 さて、どの俳優さんもいい味を出していると思う。中でもアーネスト・ボーグナインがいい。彼がなぜ警部になれないか、なぜ警部補止まりなのか、なんとなくわかる気がしてくる。
 あと、僕はファンなのだけれど、太っちょおばさんのシェリー・ウインターズがまたいいのだ。まさかの水泳選手だったという伏線には驚きだったけれど、体張っての演技はお見事であるし、感動シーンを全部持っていった感さえある。
 脇役の一人一人が魅力的なのも本作の魅力であるように思う。
 また上下逆さまになった空間は、あたかも異次元空間のようであり、まるでSF映画かと錯覚を起こしてしまいそうになる。
 しかしながら、本作の主軸は宗教観の対立にあると僕は思う。弱き人に寄り添い、助けを求める考え、主は全ての人を救ってくれるといった考えと、天は自ら助ける者を助けるという考えとの対立である。映画は後者こそ真実であると訴えているかのようだ。
 宗教観は別として、本作は70年代の一連のパニック映画ブームの火付け役となった。その後、続編とか亜流作品も生まれたが、本作を超えるものはないのではないかと僕は思っている。

『大地震』
 70年代のパニック映画は面白い。ということでもう一本、僕が選んだのがこれだ。
 脚本は『ゴッドファーザー』のマリオ・プーヅォが書いている。複数の人物を登場させ、なかなか重層的な脚本であるように思う。
 登場人物たちは、まず主人公のチャールトン・ヘストンだ。彼は建築技師ということになっている。アヴァ・ガードナー扮する妻は、彼の社長の娘という設定である。妻のおかげで出世できたと思われるのがイヤなのか、夫婦の仲は冷え切っている。
 ヘストンが熱をあげているのは殉死した同僚の妻である。珍しくヘストンが不倫男を演じている。
 犯人逮捕のためならいくらでも暴走する刑事をジョージ・ケネディが演じる。あまりにもやりすぎのために謹慎処分を食らうという役回りだ。
 バイクの曲乗りで一旗揚げようとする一座。その他、近いうちに大地震が起きると予測した地震研究所の面々もあれば、真っ先に異常に気付いたダムの面々も描かれる。軍隊に所属する青年、ヘストンの会社の面々、さらにはバーに入り浸っている酔っ払い(ウォルター・マッソーが演じているらしい)、こうした人たちを延々と描く。
 大地震が発生するのは映画開始後1時間を経てからである。前半の1時間は彼らのドラマが並行して描かれる。丁寧に作られていると言えば言えるのだけれど、幾分、ダレてしまうところがある。
 しかし、大地震が発生してからの迫力は見事だ。よくああいう映像が撮れたなと感心するくらいだ。人々の救助活動が実にスペクタクルに描かれており、とても面白い。
 そして、意外なラストも強烈に印象に残ってしまう。人命の尊さよりも私情が勝つのか。なんとも言いようのない結末だ。

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)



投稿者 高槻カウンセリングセンター

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