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2020年1月22日 水曜日

1月22日:触らぬ妖精に祟りなし

1月22日(水):触らぬ妖精に祟りなし

 朝、会社に来ると、普通ならデスクでその日の仕事の準備なんかをするところ、社員食堂なんかにこもってお茶を飲んで時間を過ごす。始業時間になるとオフィスに入るけれど、新聞や雑誌を読んだり、スマフォをいじったりして時間を過ごす。要するに、職場に来て仕事をしない人なんだけれど、こういう人を「妖精さん」と言うらしい。今朝のワイドショーで知った。
 こういう人は昔からいたものである。若いころにはまだ仕事熱心だったかもしれないけれど、中年の域に達すると、先が見えてくるのでやる気を失うような人だ。あるいは若いころからそうだったのかもしれない。
 苦労するのは「妖精さん」の下で働く若手たちだ。彼らは不公平感を覚えるようだ。それもそうだろう、自分には仕事がいっぱい回ってきてネコの手も借りたいほどなのに、ふと上司を見るとボンヤリとして仕事をさぼっているように見える。非常に腹立たしいと思うことだろう。
 僕のクライアントにも「妖精さん」に手を焼いているという人が何人かおられた。大抵は上司にそういう人がいるのである。彼らは「妖精」上司にむかっ腹を立てており、仕事中も激しい怒りと格闘しながら仕事をしているのである。
 彼らは僕に意見を求める。こういう「妖精」上司をどうしたらいいか、と。僕は答える。「妖精さん」を無視しないさいと。関わってはいけないと、そう忠告する。
 クライアントは最初のうちこそ僕の忠告に従ってくれるのだけれど、やがて、堪忍袋の緒が切れて、「妖精さん」に戦いを挑む。あまりにも自分が不公平で惨めだと感じるからだろうか。結果、泥沼にはまりこむ。
 多分、世間一般の目からすると「妖精さん」は、要するにぐうたらで、怠け者だというように見えるかと思う。僕はそうは思わなくて、むしろ、こういう「妖精さん」を怖いと感じる。同じ職場にこういう人がいれば、僕は間違いなく関わらないでおく。内にどんなものを秘めているか分からないからである。
 仕事に打ち込めないということは、攻撃衝動のはけ口が閉ざされているということである。不活発そうに見える人が内に激しい怒りを秘めているという例はざらにあるものだ。どんなものを内に抱えているかが不明なので、「妖精さん」とは関わらない方がいいのである。
 あるクライアントは、「妖精」上司に忠言した。案の定、「妖精」上司は彼に激しく食って掛かってくるようになった。この「妖精」上司にしてみれば、仕事を通して攻撃衝動が昇華されるのではなく、彼を個人攻撃することで攻撃衝動のはけ口が見つかったわけだ。当然のことながら、「妖精」上司の攻撃は執拗で激しいものになった。「妖精」上司にとっては、救済の道が開かれたわけである。
 昔から「触らぬ神に祟りなし」と言われたものだが、僕は言いたい、「触らぬ妖精に祟りなし」と。
 部下からすると不満もあるだろうけれど、「妖精」上司はどんなものを抱えているのかが見えないので、下手に手を出さない方が無難なのである。
 あるクライアントが言う、「妖精」上司は仕事をしていないのに自分よりも給料を貰っていると。上司の給料もどっちみち会社の金だ、クライアント個人のお金じゃないのだ。くれてやったらいいのだ。「妖精」上司に高給を払うのは会社が決めていることなのだ。会社と「妖精」上司との間の契約の問題なのだ。放っておけばいいのだ。
 そして、自分に与えられた仕事を忠実にこなしていれば良い。上司に報告等がある場合は、「妖精」上司を通り越して、もう一つ上の上司に報告すればいい。一切、「妖精」さんには関わらなくていいのだ。こちらが下手に腹を立てると、「妖精」上司は必ず目をつけてくる。変な言い方だけれど、部下に問題児がいた方が「妖精」さんは救われるのだ。
 上司に「妖精」さんがいるという人にお勧めしたい。上手に回避しなさいと。「妖精」さんの視界に入らないように上手く立ち回りなさいと。間違っても、攻撃をしかけてはいけない。それこそ「妖精」さんの思うつぼになる。

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)



投稿者 高槻カウンセリングセンター

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