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2019年11月27日 水曜日

11月27日:家出少女と「親切」なおじさん

11月27日(水):家出少女と「親切」なおじさん

 今日は何かと雑用に終われている。いつもなら水曜日に来る人が、今週に限り昨日来られたので、その分の時間が空く。それで今日は多少の時間的余裕があるはずなのだけれど、何かと細々した用事に追われていた。

 足に激痛が。ツーのやつがまた起きた。同じく、膝の具合も悪い。この両者は揃って顔を出すという最悪のコンビだ。当分、悩ましい日々が続きそうだ。幸いだったのは、この両者が同じ足に生じていることだ。両足に分担されたらたまったものじゃない。片方だけなので、それだけが救いだ。

 今週はフッサール現象学を勉強する。昨日からそれに関する書籍を机上に積んである。あれこれ目を通す。『現象学の理念』と『ブリタニカ草稿』を中心に読むことに決める。
 現象学ってのは、分かるようで意外と分かりにくい思想だ。体系的にまとまっているわけでもなく、また、フッサールの思想も変遷しているので、どの時期の現象学かによって内容が違ったりするという、そういう厄介な一面もある。とにかく、現象学の思想にもう少し馴染むだけでいいので、勉強しようと思う。

 さて、家出少女が保護されたというニュースがある。大阪に住む女の子だ。無事に保護されたことは良かった。
 しかし、家出ってことの意味が本当に分かっているだろうか。無宿渡世の人間になるってことになるんだけれど、それがどういう生き方になるかを本当に分かって家出したいなんて言っているだろうか。
 当然、小学生には分からないことだとは思うんだけれど、家出をするっていうのは、そういう人間になる、そういう人生を送るってことだと僕は考えている。軽々しく家出したいなんて言わない方がいい。
 もう一つ異常なのは、家出をしたいとか、泊めてほしいとか、そういうことをツイッターなんかでつぶやくと、泊めてあげるという「親切」なおじさんがいっぱい現れるという現象だ。恐ろしい話だ。要するに、誘拐してあげるとか監禁してあげるとか、そういうことを言っているに等しいように僕には思われるのだけれど、いかがなものだろうか。
 本当の親切は、家出をした子供に対して、家に帰りなさいと言うことである。もしくは、そういう子供と接点を持ったら、警察に通報してその子の保護を考えることである。自分の家に泊めてあげることは親切でもなんでもないのである。
 家を出たいと望んでいる子供を家に追い返すなんてひどいと思われるかもしれない。一般の人が誤解している点は、それが援助ということである。援助とはそういうことなのである。本人が回避したいと望んでいることを、本人がするようにしていくことなのだ。学校に行けないという子供に対して、イヤなら行かなくていいよと応じることは、親切でもないし、援助でもないのだ。
 援助の話は脇へ置いておこう。そこへ話を持っていくと尽きるところがなくなる。家出少女を泊めてあげることは親切でも援助でもなんでもないという点だけ押さえておこう。

 さて、足が痛みだして、こういう時に限って明日からの昼飯が何もないという状態に陥ってしまった。
 仕事を終え、足を引きずりながら業務スーパーまで行く。ここはパラダイスだ。ラーメンの5食パックが150円足らずで買えるのだ。500円で3パック買う。取り敢えず、二週間分の昼飯は確保した。当分、お昼ご飯のことを考えずに済む。
 せっかく現象学を勉強しているのだ。この体験を現象学的に表現しておこう。業務スーパーに足を踏み入れる。僕は食事に金をかけたくないと考えている。あれこれある商品のなかから150円のラーメンが認識される。
 このラーメンは、その世界の中で突出して現れるだけではなく、その所与性格をも現出させてくる。僕の意識はその対象を志向する。対象は僕の認識意識の中で再構成される。僕はそのラーメンの本質を直観する。こうして主体の認識と対象の持つ意味とが的中する。つまりノエマとノエシスが一致する。このラーメンは実在すると同時に表象としても僕の中で存在するようになる。
 この150円ラーメンは僕の中で特別の意味を持ち始める。運命的な出会いをしたかのような体験をする。これこそ僕の探し求めていたものだという気持ちになる。僕はそれを購入し、それを僕の人生に組み入れていく。
 まあ、そんな大仰な言い方をしなくてもいいか。良い買い物をしたというだけでもいいか。

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)



投稿者 高槻カウンセリングセンター

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