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2018年12月16日 日曜日

12月16日:キネマ館~10・11月に観た映画(5)

12月16日(日):キネマ館~10・11月に観た映画(5)

8・『フレンチコネクション2』
 僕はどうも続編と名の付くやつは好きになれない。続編が正編を超えることはないだろうと信じている。続編がいくら素晴らしくても、正編よりどこか見劣りがするものだと思っている。本作も然りである。
 でも、前作よりも劣るとはいえ、本作は本作でよくできている。前作から引き続き登場するのはジーン・ハックマン演じるドイル刑事とフェルナンド・レイ演じる悪役ボスのシャルニエだけで、あとはメンバーが一新されている。それであまり続編っぽさを感じさせない作りになっている。
 今回、物語の舞台はフランスである。ドイル刑事は合同捜査ということでフランスに招かれる。しかし、合同捜査とは上辺のことで、本当は囮捜査にドイル刑事を利用しているのだ。ドイル刑事はそのことを知らされていないのだけど、それが裏目に出てしまう。彼がフランスに来ていることを知ったシャルニエは彼を拉致し、軟禁して、麻薬漬けにしてしまう。
 ビーチサイドでドイル刑事の姿を目にするシャルニエ。このシーンがすごくいい。静かに対決の火蓋が切って落とされる雰囲気がいい。シャルニエに緊張感が芽生えるのだけど、フェルナンド・レイの静かな演技が印象的だ。
 さて、麻薬漬けにされたドイル刑事であるが、情報を聞き出すと、敵は彼を警察前に放り捨てる。そこから麻薬中毒を克服していくシーンが続くが、まあ、ハックマンの見事な名演技である。
 回復途上の段階で、フランスの刑事を前にしてドイルが話をする。野球の話なんかだ。笑ったり、泣いたり、立ったり座ったりと、感情の起伏をコントロールできないドイル刑事をフランス刑事は何も言わずに見守る。ドイル刑事に話させるだけ話させる。静かに傾聴するフランス刑事の姿もまた感動的だった。
 後半になると、麻薬中毒から抜け出したドイル刑事の反撃が始まる。軟禁されていた建物を突き止め、ガソリンをぶちまけて盛大に燃やす。一味を捕まえて連中の居場所を聞き出す。埠頭での銃撃戦を経て、麻薬密造工場に踏み込む。
 敵もさるもので、ボスは逃げる。高齢にも関わらずフェルナンド・レイの動きが敏捷なのにはビックリだったが、逃走するレイをどこまでも走って追いかけるハックマンの執念が凄まじい。
 ああ、ハックマンの膝が痛そうだ。走って追いかけて、しんどそうというよりも、膝が痛そうに見えて仕方がなく、なんとなく僕の膝にも痛みが走るかのようだった。音声解説では、実際、ハックマンは膝を悪くしていたそうだ。
 どこまでも執念深く追いかけ、シャルニエに弾丸を打ち込んで、その瞬間、唐突に映画が終わる。この唐突感はむしろ衝撃を強める。一件落着といえば確かにそうなんだけど、なんとなく不穏な余韻を残すラストだった。
 もう一つの見どころは、舞台がフランスになっている点である。言葉が通じない環境で、孤独を経験する刑事の姿が描かれている。こういう描写は物語に直接関係はしないけど、主人公の苦悩や人柄をよく伝えてくれる。
 僕の唯我独断的映画評は4つ星半だ。ハックマンにしろ、レイにしろ、フランスの俳優陣にしろ、みんな見事な演技をする。ドイルと一緒に酔っぱらうバーテンダーとか、ビーチボールをしていたビキニギャルに至るまで、チョイ役たちも印象に残る。


9・『アルフィー』
 この映画は何よりも音楽がいい。ソニー・ロリンズだ。どっちかと言うと、内容よりも、音楽目当てでレンタルした感じである。
 アルフィーとは、マイケル・ケイン演じる本作の主人公の名前である。このアルフィーという男、プレイボーイというか、単なる女たらしで、ハッキリ言って僕が好きになれないタイプの人間だ。
 しかし、あら、不思議。映画が終わるころには、僕はすっかりアルフィーが好きになっている。何とも魅力的な人物だ。
 アルフィーは劇中のセリフを言うだけでなく、観客に向かっても話しかける。ストーリーがあくまでも演劇であり、作り物であることを隠さない。この構図がよくできているなと思う。アルフィーにとって、人生とは作り物に過ぎないのかもしれない、そう思うからである。
 彼はすべてをコントロールしたがる人のように思う。女の言動もそうだし、仕事もそうである。自分の体重でさえコントロールしていることが、女医との場面で窺われる。すべてをコントロールしたがる人間が、結局は、それに失敗してしまうというのは皮肉と言おうか。
 こうして、人はアルフィーから去って行く。彼が関係した女たちは、彼抜きで幸せになっていく。彼のような人間は取り残される運命にあるのかもしれない。ラストはなんともそういう寂寞な雰囲気で満ちている。
 主演のマイケル・ケインは本作で賞を受賞したはずだが、確かに名演技だ。女の敵のようなキャラなのに、なんとも魅力的に感じる。
 その他、女優陣も印象深いのだけど、グレアム・スタークが登場するのは嬉しいところであった。この人は『暗闇でドッキリ』で、ピーター・セラーズ演じるクルーゾー警部の部下を演じた人だ。クルーゾー警部に劣らぬとぼけた役柄が印象に残っていて、この人が画面に登場すると、どうしても僕は笑ってしまう。
 さて、本作の唯我独断的映画評は5つ星である。僕の中で、もう一度レンタルしてじっくり研究したい映画のリストに入っている。



(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)



投稿者 高槻カウンセリングセンター

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