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2018年12月 9日 日曜日

12月9日:ユーチューバー事件

12月9日(日):ユーチューバー事件

 テレビで今週のニュースを見た。あまりいいニュースはなかった。その番組で見たわけではないけど、ユーチューバーの事件を思い出した。数日前に報道番組で見たものだ。
 その事件というのは、あるユーチューバー男性のことである。なんでも、その人は電車で全国を旅してまわり、旅先での映像をユーチューブに上げていたそうである。どこが面白いのか僕にはまったく分からんのだけど、まあ、そこまではいいとしよう。実はこの男性、旅費を稼ぐのに空き巣をやっていたという。空き巣して盗んだ品物を現金化したりして、それを旅費にしていたという。そのことが発覚して、今回、お縄を頂戴したということだ。
 こんな事件を聞くと、ユーチューブってのがはるかに依存性の高いメディアであることがよく分かる。閲覧する方も、そればかり見ているといった話を聞いたことがある。当然、作る側も同じだろう。
 僕はこういうユーチューバーが嫌いだ。彼らを見ていると、目立ちたがり屋を連想する。クラスに一人くらいこういう人がいたと思うのだけど、自分が目立つためには何でもするといった人だ。クラスの注目を集めるためならどんなバカなことでもやるっていう種類の人だ。僕はこういう人が嫌いである。

 先月、『フレンチコネクション2』を観た際に、正確に言えば監督の音声解説を聞いた際に、印象に残る話があった。映画に登場する一人のフランス人俳優は、当時は無名に近かったのに、後に同国でスターになったそうだ。もう一人、登場人物で監督がいい俳優だと思った人があるが、この人はメジャーになることなく終わったそうだ。両者の違いを監督が説明している部分があった。簡潔に述べると、前者は観客が注目してしまうのである。観客の目を引き付けてしまうのだという。後者の俳優にはそれがないということである。
 売れる俳優さんっていうのは、目立つのではなく、観客の方が注目してしまうのである。僕はそう思う。自分から目立とうとしなくても、その演技や立ち居振る舞いによって、周囲の人の方がその人を見るのである。
 これは決して映画の役どころとは関係がないと僕は思っている。その人の持っているものがそうさせているのだと思う。端役でも観客の印象に残る人は売れるものだと思う。
 しばしば、それはその人のオーラだと言われたりする。これもまた訳の分からん説明である。その人の発するオーラが人を引き付けるというわけなんだけど、何の説明にもならない説明である。
 その人の持つ才能だと考える人もあるかもしれない。才能と言えば才能なのかもしれないけど、才能だけでそのすべてが説明できるとも僕は思わない。

 さて、僕の考えでは、人の目を引き付けたいと願うなら、もっと自分を磨きなさいということである。自分自身を掘り返し、内に秘めている個性をもっと表面化させなさいと、僕はこう言いたい。その人の内側から滲み出るものに、人の目は釘付けにされるものである。僕はそう思う。
 従って、ユーチューバーも注目を集めたいと思うなら、犯罪スレスレのことをやったりせず、また、バカなことや太鼓持ちのようなことをやったりせず、さらに、アイデアや企画だけに頼らず、自分自身を磨いていけばいいのである。特に興味はないけど、この人が出てきたらついつい見てしまうと言われるようになればいいのである。

 逮捕されたユーチューバーも、いっそのこと、貧乏旅行をすればよかったのにと思う。物乞いして、日雇いで稼いで、時には手伝いなんかをして人の情けに縋り付いて、そこまでして路銀を稼げばよかったのにと思う。苦労する姿は見せたくないと思うのか、そういう苦労はしたくないと思うのかは、僕は知らんが、その方がもっと価値のある映像になっただろうにと思う。
 何にせよ、こんな事件を見るたびに、イヤな世の中になったものだと、僕は絶望的な気分に襲われてしまう。

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)



投稿者 高槻カウンセリングセンター

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