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2016年12月16日 金曜日

12月16日:自分に不真面目な人たち

12月16日(金):自分に不真面目な人たち

 僕がコンビにでバイトしていた頃、おでんの什器をカウンターの前に出すことに反対していた。カウンターの上でも気に入らなかった。店員の管理が行き届かなくなるためで、異物混入とかされる恐れがあると、当時の僕は考えていたのだ。
 異物混入よりもさらにタチの悪いのが逮捕されたそうな。「おでんツンツン男」だ。
 最初、「おでんツンツン男」って、なんじゃそりゃと思ったのだけど、ニュースで映像を見ると、まあ、ひどいもんだ。
 犯人のことは知らないけど、共生の観念が著しく欠如した人間なんだろうなとは感じた。共生観念の欠如とは、要するに反社会的ということだ。そして、一度でも自分自身や自分の人生に真剣になったことがないのだろう。見ていてそう感じられた。

 まあ、あまりこうしたニュースネタは止めておこう。話題のニュースを取り上げて、そうして注目を浴びようとしているなどと思われたら、いい迷惑だ。
 平和な国で稚戯に耽るよりも、貧しくて生きるのに必死だという人の方が豊かかもしれない。
 火曜日だったか、テレビで外国人観光客が日本で注目したところ、写真に撮ったところなどを紹介していた。外国人からすると、日本人が家の前に自転車を置いたり、植木を置いたりするのが信じられないと言う。また、カフェなんかで荷物を置いて席を外すのも信じられないと言う。そんなことをすればすぐに盗られてしまうと彼らは言う。
 日本は平和だとか、治安がいいとか、それもあるかもしれないけど、それ以外の何かがあるように僕には思われる。それは、つまり、外国には、人のものを盗んででも生きようとしている人たちが多いのだということだ。ある意味では、何が何でも生きてやろうということだ。
 日本でも、貧困層や生活苦の人たちがいる。その人たちは他人のものを盗んだりしない。その代わり、公的な福祉に過剰に頼っているかもしれない。生活保護を受けて悠々と生活している人も僕は知っているが、彼は自分の人生にまったく執着がないようだ。
 生に対する執念は、外国人の方が強いのかもしれない。日本人にはそれがあまり見られないように思う。「おでんツンツン」や、少し前のバカッターたちも、そんな子供じみたいたずらで一生を棒に振るのだ。いとも簡単に生を放棄するのだ。
 これは12年目コラムの方で書いたこと(現在未公開)なんだけど、一度でもそういう行為をすると、一生それがついてまわることになる。企業の人事部で働く人から聞いたことだが、新入社員の内定が決まると、その人たちのことを徹底して調べるのだそうだ。その人が、万一、バカッター行為なんかをしている場合、内定が取り消されることもあるそうだ。

 カウンセリングでも、日本では定着が十分ではないと言われるのだが、それはカウンセリングが悪いわけではないと僕は考えている。自分自身に真剣になろうという日本人が少なくなっているだけのことだ。
 自分自身に取り組まず、即席の効果を求めて、その場しのぎの手段を身に着けようとしてカウンセリングを受ける人もある。占いかなんぞのようなものと思い込んで来られる人もある。みんな自分自身に不真面目なのである。
 くれぐれも自分は「おでんツンツン」のようにはならないと信じないように。「おでんツンツン男」は、我々の成り果てた姿なのかもしれないのだから。我々が自分自身に真剣に取り組まなければ、僕たちは、多かれ少なかれ、「おでんツンツン男」と変わらないのである。

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)



投稿者 高槻カウンセリングセンター

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