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2016年8月11日 木曜日

8月11日:島根の二日目にて

8月11日(木):島根の二日目にて

 島根県での2日目。今日は僕にとって大きなイベントがある。寺戸家の先祖代々伝わる山林を見ておくという重大イベントだ。
 山林と言っても、それほど大した規模ではないし、材木も土地も売れる見込みのまったくない代物だ。兄は父に処分しろと言っているそうだが、僕が受け継ぐことにした。そのため、その山林を現地にて、実際の僕の目で見ておきたかったのだ。
 父は受けついた山を後代に引き渡した。僕が受け継ぐことで父はその責任を果たしたのだ。僕には跡継ぎがいないから、代々続いたこの山林も僕で最後となる。父が受け継いで、その子孫が受け継がないとなったら、僕と兄だけでなく、父の顔も立たないというものだ。僕が受け継いで、僕で終わる。泥をかぶるのは僕だけでいいと思う。
 その山林だけど、途中までは車が入れる。そこから先、1キロほど徒歩で山道を歩く。装具付の足で、おまけに松葉杖で、よくあの道を歩いたと思う。無理せず、トボトボと歩く。かつては整備された道だったのだけど、今はすでに荒れ始めている。
 途中、ヘビが横切って行った。山道でヘビに出会うことは、僕にとっては縁起がいい。
 材木も売れない。土地も売れない。でも、いつかこの自然を売る日が来るかもしれない。環境破壊が進む中で、10年後、20年後には自然保護区として国が買い取ってくれるかもしれない。万に一つの可能性だけど、今後地球環境がどうなっていくか分からない状況なのだから、まったくあり得ない話ではないと思う。現に、アマゾンのジャングルの森林が枯渇しそうだという話も耳にしたことがあるので、今後はこの材木が売れる日だって来るかもしれない。

 その後、伯父さんの家に挨拶に行って、母の土産物買いを済ませる。
 三隅の「道の駅」から見る景色が良かった。海が広がり、水平線まできれいに見える。手前の陸地には海沿いに線路が伸びていて、バランスがいい。
 海を見るというのも案外いいものだと思った。あまり海に縁がないし、行きたいとも思わないけど、高台から海が見渡せたり、木々の間から海が垣間見えるというのも悪くないなと思う。
 畳が浦に行く。ここは和歌山県の千畳敷と同じようなものだ。途中まで道路が伸びていて、その先は海岸沿いを歩くのではなく、トンネルを通って行く。このトンネルがなんか良い。トンネルの途中に洞穴を通過するのだけど、その瞬間がいい。遠くの方からすでに波の音が聞こえていて、視界が開けると、そこは洞穴の中という、ちょっと神秘的な場面だった。
 ここは明治時代の地震でこういう地形になったと、説明版にあった。地震で亡くなった人も多数現れたけど、そこがこうして観光地になっているというのは、なんだか不思議な気分だ。
 足が悪くなければ、少しくらい海に浸かってみたかったけど、それは将来の楽しみにしておこう。

 その後は、ばんりゅう湖(字を忘れてしまった)へ。ここは鯉がたくさんおって、みんなエサをやってる。僕もやってみたが、まあ、鯉が集まる集まる。しょっちゅうエサを与えられて、鯉たちもけっこうなメタボだ。
 まだ、時間があるということなので、萩・石見空港を見る。その後、買い物をするが、まだ時間がある。しばらく車を走らせた後、柿本神社を参詣する。柿本人麻呂関係の神社で、静かで、心地よかった。

 旅館に戻る。宴会や高校野球の団体が泊まることになっていて、ちょっと賑やかだった。ああいうのを見ているといいなあと思う。賑やかで楽しそうだ。
 僕は部屋にこもって書き物をしている。見たいテレビもない。ちなみに、チャンネル数がこちらは少ないなと思った。そういうわけで、夕食を済ませると、ずっと書き物をして過ごす。
 隣の部屋が家族連れで、小さい子供が何人かいるようだ。ドタドタと騒がしい。気が散るので、書くのを中断し、ロビーへ降りる。宴会も終了し、その団体さんたちも引き上げたようだ。ロビーは静かだ。
 缶ビールを買って、ソファに座って飲む。タバコをくゆらしながら、人気のない静かなロビーに一人佇む。こういうのも悪くない。

 部屋に戻る。隣は静かになっている。子供たちも寝たようだ。僕もこれを書き終えたら寝よう。明日は島根を出て、京都に戻る日だ。いい一日だった。

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)



投稿者 高槻カウンセリングセンター

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